ご飯を炊くのにメスティンはとても便利なクッカーなのですが、実際にテント泊を行ってみると、お湯を沸かしたり、温かいスープが飲みたくなったりして、メスティンとは別にクッカーが欲しくなります。
でも、メスティンと別のクッカーの両方を持っていって荷物が増えてしまうのもできれば避けたい。
ならばクッカー(コッヘル)でご飯を炊きましょう、ということで今回はクッカーで炊飯する方法を解説します。
クッカーにはいろいろな種類があります。例えば、蓋に深さがあって、ちょっとした料理ができるタイプ。マトリョーシカのようにクッカーの中に小さめのクッカーが収納できるタイプなど、さまざまなタイプがあります。
今回は、小さな鍋を重ねて収納できるタイプのクッカーで炊飯しました。小さな鍋には目盛りが付いていて水の量を量ることもできます。
ご飯を蒸らしているときにスープなどを作ることもできるので、とても重宝しているクッカーです。
クッカーでご飯を炊く
炊飯の手順と準備
<準備するもの>
お米は無洗米がおすすめです。クッカーの素材は熱伝導率の良いアルミ製を使っています。チタン製のクッカーもありますが、熱伝導が悪く焦げ付きやすいので使いません。
- お米(無洗米)1合と水
- アルミ製のクッカー(コッヘル)
- ストーブ プリムス(イワタニ)P-115フェイムストーブ
- グローブ(軍手)
- 保温用のタオル(蒸らすときに使う)

<お米の持ち運びと水の量>
実際のテント泊登山では、お米は必要な量(今回は1合)を袋に小分けして持っていきます。水の量は無洗米なので210mlを目安にしています。袋に必要な水の量を書いておけば忘れても困りません。
水の量のはかり方ですが、私の使っているクッカーには目盛りが付いているので、いつもそれを利用しています。もし目盛り付きのクッカーでなければ以下の方法を参考にしてください。
・あらかじめクッカーに必要な水の量の印(キズ)をつけておく
(内側がコーティングされているタイプは要注意、自己責任でお願いします)
・ナルゲンなどのボトルの目盛りを使う(普段は水筒代わりに使う)☆こちらがオススメ☆
<炊くときのポイント>
標高が高くなると沸点が低くなってしまい、ご飯の芯が残りやすくなります。これを少しでも防ぐためには以下のポイントに気を付けてください。
- お米はなるべく長い時間(2時間ぐらい)浸水させる
- 風を避けて火を安定させる
- 炊飯中に蓋が浮いて中の圧力が逃げないように蓋の上に重しを置く
- クッカーで炊くときは時間をきっちりと測る
<炊き方>
炊き方の基本的な手順は次の通りです。
- ストーブの燃料が残っていることを確認
- お米を浸水後、クッカーを火にかけ、強火で吹きこぼれる寸前まで火にかける
- 吹きこぼれた瞬間に火から離す(クッカーを持ち上げる)
- 火力を最小にして再度火にかけ重しを載せ、そこから20分間放置する
- 20分経ったら火から降ろして、タオルなどにくるみ10分程度蒸らす
実際にご飯を炊く
実際にお米一合を炊いてみます。
炊飯した場所:標高 860m
外気温 6℃
少し風あり
<お米と水を入れる>
クッカーの目盛りで水の量を量り、お米と水を入れます。

<お米にしっかりと水を吸わせる>
夏場なら30分、寒い季節なら1時間以上(理想は2時間)お米を浸水させます。標高が高いときは、やはり2時間ぐらいは浸水させたいですね。
実際のテント泊では、早めにテント場に着いて時間に余裕があればいいのですが、テント場についてから何かと忙しいのも事実。テントを張ってビールを飲みながら一休みしたいところをグッとガマンして、夕食にご飯を炊く予定があるなら、先にお米を浸水させておくぐらいがいいかもしれません。

<クッカーを火にかけ炊飯を始める>
しっかりと吸水させたらクッカーを火にかけます。最初は強火です。

しばらくすると蒸気が噴き出してくるのでクッカーを火から離します。
※クッカーの大きさやお米の量によっては噴き出してこないことがあります。クッカー内を覗いてみてグツグツと煮たってきていればOKです。
火力を弱火にして、再度クッカーを火にかけて重しをのせて20分間放置します。重しを載せる理由は、蓋が浮いて中の圧力が逃げないようにするためです。今回、ちょうどよいものが手元になかったのでガラスのコップを重しにしました。

<蒸らす>
20分経ったら火を止めてタオルなどに包み10分程度蒸らします。熱いので気を付けてください。

約10分間蒸らしたので蓋を開けてみまると、ちゃんと炊けてます!
水に浸す時間が少し短かったためちょっと堅めですが、おいしく炊けました。

ストーブによっては火が1箇所に集中してしまうので、おこげが多めにできます。

こんなときバーナーパッドを使えば、少しは火を均一に当てられるのでお勧めです。
まとめ
いかがでしたか?
炊飯の時間に注意しておけばクッカーでも簡単においしいご飯を炊くことができます。ただ、クッカーに深さがあるので、カレーなどの具材をご飯にかけて食べようとすると、メスティンに比べ食べにくさは否めません。
でも、メスティンと同じように準備に手間もかかりませんので、ご飯を炊くためだけにメスティンを追加で持ってかなくても済み、かさばる荷物を減らすことができます。
おすすめはプリムス P-CK-K-101やDUG POT-Sのようなスタッキングできるクッカーていけば、荷物を減らしつつ、ご飯のほかにスープや煮込み料理なんかもできます。
ご自身の持っているバーナーやクッカー、気温や標高により炊き上がり時間や炊き上がり具合がどうしても変わってきます。実際の山行前にお試しで炊飯してみることをおすすめします。
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