メスティンは工夫次第でいろいろな使い方ができます。でも、最初はやっぱりご飯を炊くことですよね。
テントの設営が終わったら、ほっと一息。今日の行程を振り返りつつ、目の前の展望を味わいながらビールで疲れた体を癒す、至極のひと時の始まりです。
でも、山の夜は早いので、早く夕食の準備をしなければならない。そんな時、手間なくご飯を炊くことができれば…。
トランギアのメスティンを知ってから、メスティンとエスビットを使って何度もご飯を炊いてきました。簡単にご飯を炊くことができるので、テント泊のときは強い味方になってくれます。
いろいろなサイトで炊飯の方法が紹介されていますが、私自身が普段行っている方法を紹介します。
メスティンで半自動炊飯
今やテント泊で定番となりつつあるメスティンを使っての炊飯。トランギアのメスティンとエスビットのポケットストーブでおいしくご飯を炊く方法を解説します。
炊飯の準備と手順
<準備するもの>
- お米(無洗米)1合と水
- トランギア メスティン TR-210
- エスビット ポケットストーブ
- 固形燃料 エスビット ミリタリー(14g)1個
スタンダード(4g)2個 - グローブ(軍手)
- 保温用のタオル(蒸らすときに使う)

<お米の持ち運びと水の量>
登山でお米を持っていくときは無洗米がおすすめ。1合ずつ小分けしてジッパー付きの袋に入れて持っていくと便利です。もし1回の食事で1合も食べられない場合は0.5合にしてもいいかもしれません。
お米1合は白米で約150g(新米、古米で変わります)で、白米1合に対して水の量は200mlが目安です。使用するのは無洗米なので、水は白米より少し多めに210mlにします。メスティンのリベットの中心まで水を入れると約210ml。
<炊くときのポイント>
標高が高くなると沸点が低くなってしまい、ご飯の芯が残りやすくなります。これを少しでも防ぐために以下のポイントに気を付けなければいけません。
- お米はなるべく長い時間(2時間ぐらい)吸水させる。
- 風を避けて火を安定させる。
- 炊飯中に蓋が浮いて中の圧力が逃げないように蓋の上に重しを置く。
実際にご飯を炊いてみる
実際にお米一合を炊いてみます。
炊飯した場所:標高 860m
外気温 2℃
少し風あり
<お米と水を入れる>
小分けした袋からお米を入れ、水をリベットの中心まで入れます。 私の場合、登山で炊飯するときは1合を炊くので水の量は変わりませんが、0.5合とか、0.7合といった量の場合は袋に水の量を書いておくか、あらかじめメスティンインに印をつけておくと便利です。

<お米にしっかりと水を吸わせる>
夏場なら30分、寒い季節なら1時間以上(理想は2時間)お米を浸水させます。標高が高いときは、やはり2時間ぐらいは浸水させたいですね。
早めにテント場に着いて時間に余裕があればいいのですが、テント場についてから何かと忙しいのも事実。テントを張ってビールを飲みながら一休みしたいところですが、夕食にご飯を炊く予定があるなら、先にお米を浸水させておくぐらいがいいかもしれません。
<ポケットストーブに固形燃料をセットしてメスティンを火にかける>
ポケットストーブに14gの固形燃料を置いて火を点け、火が付いたことを確認できたらメスティンを載せます。風がある場合は、風防などを使って火力を安定させましょう。
蒸気が出てきたら蓋の上に重しを載せて、あとは火加減を見つつ放っておきます。

14gの固形燃料の燃焼時間は約12分です。燃え尽きそうなころに様子を見て、まだ蒸気がたくさん出ているようなら4gの固形燃料を追加します。今回は追加した4gの固形燃料が燃え尽きてもまだ蒸気が出ていたのでもう1個4gの固形燃料を追加しました。

炊飯にかかった時間は12分+4分+4分で約20分、ちょうどいい時間ですね。 もし途中で、焦げた臭いがしたり、パチパチという音がしたら炊けているので火からおろします。
<蒸らす>
炊きあがったらタオルなどにくるみ10分ほど蒸らします。熱いのでグローブなどを付けてやけどをしないように注意してください。

<出来上がり>
蒸らし終わって蓋を開けると、フワッと蒸気が舞い上がりおいしそうな香りが漂います。炊け具合もちょうどよくてコゲもありませんでした。

メスティンで1合を炊くと、具材を載せるのにちょうどいいスペースができます。今日は親子丼にしてみました。

どうです、おいしそうでしょ?
まとめ
今回は少し気温が低いこともあって、スタンダード(4g)の固形燃料を2個追加。蒸気の出る様子を見ながら追加してみたのですが、これがうまくいきました。
トランギアのメスティンを知ってから何回も炊飯をしていますが、この方法でうまく炊けています。環境も寒かったり、暑かったり、2700mの標高(6~10月)でもちゃんと炊けています。
細かな火の調節などはなく、ほぼ放っておいて美味しいご飯がいただけます。
また、実際にテント泊で炊飯する前に、試しに炊飯してみることをお勧めします。火の加減、炊飯時間、炊き上がりなどがわかり、本番で失敗する確率は低くなります。
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