ソロ用で”アライテント トレックライズ1”を購入しましたので、レビューを2回に分けて説明します。
1回目は、開封して試し張りした時のレビューです。室内寸法や実際のテント内の広さ、重量や付属品などを紹介します。
トレックライズ1を選んだ理由
数多くあるテントの中からテント泊ソロ登山で使えそうなテントの一覧表を作って、自分の条件に合うテントを探してみました。
テントを選ぶときに気にしたことは<こちら>で記事にしています。
参考までに自分の必要とするソロ用テントの条件です。
- 自立式ダブルウォールテント
- 3シーズン用(積雪期用のテントはすでに持っている)
- 出入口は長辺にひとつ
- 寸法は 幅210cm×奥行90cm×高さ105cm 以上
- スリーブ式(補強のある吊り下げ式も可)
- ナイロン素材 フライシートと本体ボトムは20デニール以上
2021年の主要メーカーのソロ用テント一覧はこちらからダウンロードできます。
自分に必要な機能を満たしているテントは、アライテントのトレックライズ1とニーモのアトム1P、エスパースのソロ・アルティメイトでした。
ソロ・アルティメイトは高額なのとグランドシートが他の2つに比べ薄いので除外しました。
(テントの下に敷くアンダーシートを使わないことを前提としてるため)
残る2つの現物を確認しようと、この両方のメーカーを扱っている登山用品店に行きましたが、ニーモは今年の国内入荷分はなく在庫もないとのこと。
テント担当の店員さんにニーモのテントのことを少し聞いてみましたが、丈夫さやアフターサポートの良さから、私の使い方ならアライテントの方が良いということで、ニーモはあきらめました。
ただ、最後まで迷ったのはトレックライズ1と店員に強く勧められたオニドーム1です。
オニドーム1は、台形で室内も広く、ペグダウンしなくても作れる前室、カタログ上でトレックライズ1より170g軽いことが魅力でした。でも、選ぶ基準のひとつの高さ105cmに対して8cm足りないんです。結果として、広々とした頭上空間を求めてトレックライズに決めました。
候補になった2品番はこちら
トレックライズ1のカタログスペック
最初にトレックライズ1のカタログスペックをおさらいしてみます。
重量 | 1460g(重量はテント本体とフライシート、フレームの合計) |
サイズ | 設営時:間口210cm×奥行110cm×高さ105cm(前室張出45cm) 収納時:30×φ14cm(42×φ14) フレーム38cm |
カラー | 本体:クリーム フライシート:フォレストグリーン グランドシート:グレー |
素材 | 本体:28dnリップストップナイロン フライ:30dnリップストップナイロンPUコーティング シート:40dnナイロンタフタPUコーティング フレーム:NSL9フェザーライト(DAC社製) |
梱包内容
梱包は本体とポール、それにシームコートと取扱説明書の4点です。

本体の袋の中に、テント本体、レインフライ、ペグ13本、ペグ袋、張り綱(自在付き)4本が梱包されています。

付属のペグは約16cm、肉厚で丈夫そうです。張り綱を引っかける切込みは浅いので、ペグの角度をしっかり保って打ち込む必要がありそうです。
これだけ分厚くて幅のあるペグは、岩の多いテント場では打ち込むのに苦労しそう。

張り綱も付属されていますが、長さは約125cmしかありません。そのまま使うにはちょっと短いですね。
ただ、張り綱はテント場によって必要な長さが変わってきます。ペグが打てるのか、石を使うのか、隣のテントとの間隔も考慮しなければなりません。ペグもそうですが、張り綱も自分のスタイルに合わせてカスタムする必要があると思っているので、付属品は使いません。

気になる重さは?
重さはあまり気にしないと思いつつも、やはりどれぐらいの重量があるのは知っておきたいもの。
パーツごとに実際の重量を量ってみます。
構成パーツ | 重さ〔g〕 |
---|---|
テント本体 | 620 |
フライシート | 366 |
本体袋 | 46 |
ポール(2本) | 400 |
ポール袋 | 4 |
ペグ(13本) | 182 |
ペグ袋 | 3 |
張り綱(自在付き)4本 | 35 |
すべての合計重量 | 1656 |
テント本体+フライシート+ポール(ポール袋含む) | 1390 |
アライテントのカタログでは、テント本体+ポール+フライシートで1460gとなっています。実重量はポールの袋を加えても1390gで、カタログよりも軽かったです。
オニドーム1やニーモのアトム1Pに比べると軽くはありませんが、十分実用的な重さです。
ただ私の場合、実際の山行では、ペグや張り綱、本体の袋は変えるのでもっと重くなります。
外観と特徴
テント本体を室内で設営してみました。

最大の特徴はコの字(Lの字)型に開く出入口です。逆U字型の出入口だと、開けた時にテントのフロアに垂れ下がり、踏んづけて出入りすることになります。出入口が短辺側にあると、これが更に煩わしく感じ、ずっと気になっていました。
コの字型なら、開けて暖簾をくぐるように出入りできるし、踏んずけて足を滑らせることもありません。トレックライズを選んだ理由のひとつがこれです。

換気口は出入口の対面にひとつ。

ポールを通すスリーブの片側は袋とじになっています。両側がグロメットだと、テントを立てるときに一度反対側に回り込んでグロメットにポールを差し込まなければなりませんが、袋とじになっていれば末端まで突っ込むだけ。

グロメットは2カ所あり、状況によって使い分けます。

フライシートはバックルを介してワンタッチで固定できます。張り具合もベルトを引っ張ることで調整できます。
前室は使えるか?
ペグダウンはしていませんが、フライシートを被せてテンションをかけ前室を作ってみました。
妥協したとはいえ、やはり前室は狭いです。登山靴を置くと実用的なスペースはとても少ないです。
前室に登山靴をおいて、雨の日にストーブを使うことはできそうにないですね。

この前室の狭さ対策として、室内の広さを有効に使います。この後で紹介しますが、室内はとても広いので、今まで前室に置いていた登山靴は袋に入れて室内に置きます。水のソフトボトルなども前室に置いていたのですが、これも室内に。
これで最低限の前室の広さを保てます。
また、テントを選ぶ際に前室のスペースを妥協したのには理由があります。トレックライズにはDXフライシートという前室を大きくできるフライシートのオプション設定があります。タープのオプションもあります。大きな前室が必要な時はオプションのフライシートを準備しようと考えました。もちろん重量増となりますが、ベースキャンプ型のテント泊で大きめの前室が欲しいときは重量が少しぐらい増えても大丈夫でしょう。
テント室内の寸法は?
屋内で設営したのでペグダウンはできていませんが、テント室内の寸法を測ってみました。
サイズ | 実測値〔cm〕 | カタログ値〔cm〕 |
---|---|---|
長辺(出入口あり) | 209 | 210 |
短辺 | 110 | 110 |
高さ | 105 | 105 |
ほぼカタログに記載されていた寸法でした。カタログは室内寸法なのかな⁇
テント内に入ってみると、とても広いく感じます(もちろん、実際に広いのですが)。身長180cmの私がテント内に寝ても頭や足がテントの壁面に触ることはありません。

3シーズン用の薄めのダウンシュラフを入れてみましたが、壁面にギリギリ触らないぐらいでした。

短辺110cmもあると荷物を置くスペースも十分にあります。荷物の整理が苦手な人でも余裕をもって使えそうです。
また、テントの中央に座って頭上にこぶしがふたつギリギリ入らないぐらいの高さがあります。これならテント内に長時間いても、圧迫感を感じず過ごせそうです。

天井には細引きなどが結べるループが5カ所。

購入後の作業
トレックライズは購入後に行う作業があります。
テント本体ボトムの縫い目はシームシーリングテープによる防水加工がされていないため、付属するシームコートで防水加工をします。
手間と思うかもしれませんが、購入したら必ず試し張りはするもの。その時にやってしまえば気になりません。

シームコートはなぜ付いているのか。
アライテントで製造しているすべてのテントには、防水液「シームコート」が付けられています。
出典:アライテント
これは、テントの強度や、使いやすさを考えたときに、機械的なシームテープによる防水加工ではどうしても満足のいく防水性能を発揮することができないために、ユーザーの皆さんに防水加工を行なっていただくためです。
ユーザーの皆さんにとっては面倒な作業かもしれませんが、どうかご自分のテントをより完璧な状態で使用するためにご協力をお願いいたします。
まとめ
トレックライズ1を設営して最初に感じたことは、とにかく広く快適に過ごせそうなテントということです。
設営も容易で、天井が高く、便利な出入口の形状などの良いところはたくさんあります。
テントは頻繁に買い換える道具ではなく、長く使う方が多いと思います。アライテントはメーカーのサポートがしっかりしているので、安心して使えます(店員さんも推してました)。
気になったところは、張り綱が短いこととペグの形状、シームコートによる防水加工が必要なのと前室が狭いことです。
張り綱とペグは違うものを使う予定(今までのテントも付属品は使ってない)。シームコートによる防水加工の作業は、トレックライズの最初の儀式として受け入れましょう(笑)
試し張りの時にやってしまえば気になりませんよ。
前室の狭さについては、雨の日には工夫が必要になりそうです。でも、それ以外の日なら気にならないと思います。広い前室が欲しいならオプション品を使うとより快適なテント泊登山ができそうです。
レビューその2では、実際に使ってみた時の感想を紹介する予定です。
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