登山の水分補給はハイドレーションがおすすめ

ハイドレーションバッグ 山道具

登山のときの水分補給、あなたはどうしていますか。ハイドレーションそれともペットボトルや水筒?
私は断然ハイドレーションです。使い始めたきっかけは登山ではありませんでしたが、便利さを知っていましたので早くから登山でも使うようになりました。水が凍ってしまうような厳冬期以外はハイドレーションを使っています。
登山におすすめのハイドレーション、そのメリット、デメリットやハイドレーションバッグを選ぶときの注意点をまとめましたので紹介します。


ハイドレーションとは

ハイドレーションとは、フィルム状のソフトボトルに吸引用のチューブが取付けられた、水分補給をするための道具です。

ハイドレーションバッグ

一般的にソフトボトルはザックの中に入れ、吸引用のチューブをザックの外に出しておいて好きなときに水分を飲めるようにしたシステムです。

ハイドレーションバッグ
ハイドレーション対応のザックはソフトボトルのバックと取り付けストラップが付いている
チューブ取り出し口
ザックにはチューブの取り出し口が付いている

ハイドレーションを使うメリットは

  • のどが渇いたなと感じたら、歩きながらでも水分補給ができる。
  • 水分補給時にザックをおろす手間がないので、面倒だと思わずにこまめな水分補給ができる。
  • チューブから吸って飲むので、ひと口で飲みすぎない(がぶ飲みしない)。
  • ソフトボトルなので使い終わればコンパクトに収納できる


デメリットは何? その解決法は?

  • 洗いづらい、乾きにくい。
         ⇒ 私の場合は水しか入れません。しっかり洗い乾かすことが前提ですが、
           よく洗えていなくても水道水ならばカビが発生しにくいからです。
  • 残りの水の量がわかりにくい。
         ⇒ 毎回同じ量の水を入れて持っていき、下山したら残りの水の量を確認します。
           何回か繰り返すと自分の水分補給のペースがわかってきて、
           おおよその飲んだ量がわかるようになってきます。
           私の場合、食事用やけがをした時の洗浄用を兼ねて、
           予備で1リットル程度の水をソフトボトルに入れて持っていきます
  • 水にゴムの臭いが移って気になる。
         ⇒ お湯と中性洗剤で臭いが取れるまで洗う。
           最近は有名メーカーの物なら臭いはほとんど気にならな くなってきています。


ハイドレーションバックを選ぶときの注意点

・飲み口にはバルブのついているものが良い

チューブの先端についている飲み口にはいろいろタイプがありますが、開閉できるバルブが付いているタイプをお勧めします。

すでに荷物が入ったザックにハイドレーションバッグを入れるときや、ハイドレーションバッグをザックにセットした後に荷物を詰め込むと、ハイドレーションバッグに圧が掛かって飲み口に水が押し出されて、飲み口やホースのすき間から水が漏れてきてしまいことがあります。このような場合、飲み口にバルブがあると水漏れを防ぐことができて大変便利です。

プラティパス BIG ZIP EVO
プラティパス BIG ZIP EVO のバルブ


・飲み口のキャップ(カバー)は必需

休憩するとき、ザックをおろす場所はベンチやテーブルの上とは限りません。石の上や地面の上に置くことのほうが多いのではないでしょうか。ザックを無造作に地面に置いたら、チューブの飲み口に砂や泥が付いてしまうことも…。飲み口のカバーが付いていればこんなミスを防ぐことができます。

source飲み口のカバー
SOURCE ワイドパック 飲み口のカバー


・大きく開口するタイプが良い

大きく開口することで水が入れやすく、使用後は洗いやすくて乾燥させやすいメリットがあります。スクリューの注水口しかないタイプは、残った水をすべて出し切ることができないため、水がたまったままで乾燥しにくかったりします。

スクリュー式ハイドレーションバッグ

次の章で紹介するSOURCE ワイドパックやプラティパス BIG ZIP EVO のような開口部の大きいタイプがおすすめです。
開口部の大きいタイプは、残った水も出しやすく洗浄や乾燥も行いやすいからです。
ハイドレーションバッグは口にするものを入れるので、いつでも清潔に保てるように作られたものを選ぶようにしたいです。


ハイドレーションバッグのレビュー

今までに5つのハイドレーションバッグを使用しました。その中でお勧めできる3つを紹介します。

・SOURCE ワイドパック 2L

source wide pac 2l
右は水2Lを入れた時の状態

現在、主に使っているモデルです。ワイドパックの名の通り、横に広いタイプなので比較的ザックの収まりが良いです。飲み口はカバーのついたスクリュータイプのバルブ部が付いています。この機構が思いほか使いやすくとても気に入っています。スクリュー式のバルブのため、突起物がなく不要に引っかけることがありません。ただ飲み口は少し大きめですので、女性の方には違和感があるかもしれません。カバーは外すのに適度な力が必要なため、はずみで外れることはなく、とはいえ外しにくいわけでもありません。スクリュー式のバルブは回す力も必要なく、それでいて確実にバルブが締まります。

source wide pac バルブ

 また、便利な機能として、ふたをするためのスライダーを使ってバッグの空間を作り早くバッグの中を乾燥させることができます。この機能があるおかげで、次に紹介するプラティパス BIG ZIP EVOよりも早く乾きます。

source wide pac 2L


・プラティパス BIG ZIP EVO 2L

プラティパス BIG ZIP EVO 2L
右は水2Lが入っている状態

このハイドレーションバッグもたまに使いますが、水を入れるとSOURCE ワイドパックより横に広く厚みが少なのでザックの収まりが良いです。飲み口も小さくて、飲み口を噛む力も小さくて済みます。 飲み口のバルブはレバーによって開閉させます。閉じているときはホースと並行の位置なので邪魔にはなりにくいものの、ザックのチェストベルトなどに引っかけてしまうことがあります。また、飲み口のカバーは付属していませんので、別で購入する必要があります。

ワイドパックとbigzip比較
BIG ZIP EVO 2L密閉方法

商品名の通り、給水口には大きめのジップとスライダーが付いています。給水するときはこれがとても便利で、水を入れた後、ジップを閉じてからスライダーでロックします。スライダーでロックするときは多少の力が必要なのですが、先にジップで閉じていますので水をこぼす心配がありません。ここは使い勝手の面でSOURCEとの大きな差です。

ホース接続部分

ホースはバッグの上部で接続するようになっています。これはザックに収納するとき、バッグとホースを別々にできるのでザックへの装着は楽なのですが、使用後にバッグについたホースを乾かすのに時間がかかることが欠点です。

・プラティパス ホーサー 2L

ホーサー 2L
別売の飲み口のカバーを付けています

登山で最初に使い始めたハイドレーションバッグです。シンプルな作りなので上記の2つに比べ価格も安いです。水を入れて横に広がるタイプではないのでザック内の収納の仕方に工夫が必要です。飲み口にバルブが付いていないため、すでに荷物の入ったザックにバッグを押し込むと、その圧力で飲み口から水が少しずつ出てきます。飲み口のカバーもないので必要ならば別途購入しなければなりません。給水口もペットボトルのようなキャップタイプなので乾燥には時間がかかります。

ホーサー 2L
水2リットルを入れたとき

シンプルな作りなのでバラせる部品も多く洗浄は楽です。使っているときは、飲み口のカバーとプッシュプルキャップを別に購入しました。泊まりで小屋に水を買いに行くとき、ソフトボトルのようにして持っていけます。現在はハイドレーションとして使うことがないので、ソフトボトルの代わりに使っています。

ホーサー2L



まとめ

こまめな水分補給が必要な登山こそハイドレーションはとても役に立つアイテムです。使ってみてその便利さを実感したらもう手放せません。正しく使えば長く使えますし、飲み口などの消耗部品も用意されているので安心です。

私は日帰りでもテント泊でも予備の水を持ちますので、ハイドレーション本体は2Lのタイプを使用しています。一日歩いて水が足りないと感じたことは一度もありませんでした。

いろいろなタイプが販売されていますので、自分のスタイルに合ったタイプを見つけてハイドレーションを取り入れて登山をより快適にしてみてはいかがでしょうか。

コメント