乗鞍岳(2437m)~小蓮華山(2766m)~白馬岳(2932m)~雪倉岳(2611m) 

雪倉岳 後立山連峰

8月13日~15日 後立山連峰北部の展望を楽しむ

白馬岳から北に続く雄大な自然の中にある尾根道と展望。ザレた殺風景な景色の後には斜面いっぱいに広がるお花畑が現れる、そんな静かな登山道を歩きたいと思い、白馬岳から朝日岳までの縦走を予定していました。しかし、朝日小屋が今シーズンの営業をしないということで、白馬岳頂上宿舎を基点に周辺を歩くことにしました。

=コースタイム=
1日目
栂池自然園(8:00) ▶ 乗鞍岳(10:35) ▶ 白馬大池(11:15) ▶ 小蓮華山(13:05) ▶ 三国境(13:50) ▶ 白馬岳(14:40) ▶ 白馬山荘(14:55) ▶ 白馬岳頂上宿舎(15:10)
活動時間(休憩含む):7時間10分

2日目
白馬岳頂上宿舎(6:55) ▶ 白馬山荘(7:10) ▶ 白馬岳(7:25) ▶ 三国境(7:55) ▶ 鉱山道分岐(8:25) ▶ 雪倉岳避難小屋(9:05) ▶ 雪倉岳(9:45) ▶ 雪倉岳避難小屋(10:20) ▶  白馬岳(12:40) ▶ 白馬岳頂上宿舎(13:30)
活動時間(休憩含む):6時間35分

3日目
白馬岳頂上宿舎(7:40) ▶ 白馬尻小屋(10:40) ▶ 猿倉(11:30)
活動時間(休憩含む):3時間50分 3日間の累計標高差:上り2660m 下り3240m

登山口と駐車場

入山は栂池自然園、下山を猿倉にしたため、八方第5駐車場(無料)に車をデポしておいて、栂池高原第2駐車場(無料)に車を止めます。下山したらすぐ帰れるように1台は猿倉に止めておこうと思ったのですが、八方から猿倉まで意外と距離があることや、猿倉の駐車場の状況がわからなかったので八方に駐車しておいて、猿倉に下山したらバスかタクシーで八方の駐車場まで戻ることにしました。

栂池高原第2駐車場
栂池高原第2駐車場

栂池高原第2駐車場です。舗装はしてありませんが、とても広い駐車場で、栂池高原ゴンドラ乗り場から北へ車で1~2分のところにあります。あまりきれいではありませんがトイレもあります(画像の左端)。ゴンドラ乗り場に近い第1駐車場(無料)もありましたが、「日帰り専用」のようです。

ゴンドラ乗り場

駐車場から歩いて10分弱でゴンドラ乗り場に着きます。ゴンドラとロープウェイを乗り継いで登山口まで行きます。料金は片道2000円+荷物分300円(15㎏以上)でした。
※JROかモンベルの会員だと割引が受けられるようです。2つとも会員なのですが、会員証を持っていなかったので割引は無し。これからは登山の時でも持ち歩いたほうが良いですね。

登山届は切符売り場手前にあります。この時期は遭対協の方がいて相談所が開いていましたので、そこに提出しました。

栂池自然園入口

 ゴンドラ15分、ロープウェイ5分ぐらい(20分間隔)で栂池自然園入口に到着。入山口まで5~6分歩きます。

栂池入山口

入山口です。白馬岳までコースタイムで7時間半、スタートします。


栂池自然園 ~ 乗鞍岳 ~ 小蓮華山 ~ 白馬岳 ~ 頂上宿舎

すでに登山口あたりで天気が崩れそうな感じでしたが、やはりスタートして15分もしないうちに雨が降り出しました。登山道はというと、最初から勾配はそこそこ急で、ゴツゴツした石の上や木製の階段を歩いたりします。

石の登山道

進むにつれ、雨もどんどん強くなってきます。

木道

こんな木道を歩いたりもします。

天狗原

天狗原です。湿地帯で木道の上を歩きます。天気のいい日に来たいですね。

天狗原を過ぎると、石の登山道を登っていきます。

登山道の残雪

30mほど残雪を登ります。アイゼンは必要ありませんでした。

乗鞍岳

登りきると、広く平坦な乗鞍岳に到着します。雨風がひどくなってきて、この時点で引き返そうかも思いまいましたが、とりあえず大池まで行ってみて決めることにしました。

白馬大池山荘と白馬大池

白馬大池に到着です。サンショウウオが生息しているらしいですが、さすがに探す気にはなれません。
ここで休憩も兼ねて様子を見ていたら、風は相変わらず強いのですが、雨が少し弱くなったように感じたので先に進むことにしました。

白馬大池のテント場

小屋のすぐ脇に広くて平らなテント場があります。天気が良いと、いつまでも過ごせそうなテン場ですね。

今年は制限されていますが、ガイドブックでは40張となっていました。競争率は高そうです。

雷鳥坂への入口

蓮華温泉への分岐を越えて雷鳥坂に向かいます。こんな天気では雷鳥は期待できそうにありませんね。

大雪渓

小蓮華山に向かう途中で雨は降ったり止んだりとなってきました。長野県側のガスも晴れてきて、麓の街並みや大雪渓が見えてきました。

小蓮華山

登山口から5時間10分で小蓮華山に到着です。このころになるとほとんど雨は止んでいましたが、風は相変わらず強いので、寒くてレインウェアを脱げません。

雷鳥の親子

山頂では雷鳥の親子が出迎えてくれました。

白馬大池からの稜線

振り返ると白馬大池から歩いてきた稜線が確認できます。たくさん歩いてきたように思っていたのですが、意外とすぐそこに大池が見えます…。

白馬岳に続く稜線

ガスに巻かれていてわかりにくいですが、白馬岳に向かう稜線です。

雪倉岳方面

明日向かう予定の雪倉岳(右側)です。晴れていれば絶景を堪能できそうです。

三国境

長野県、富山県、新潟県の3県が接する三国境に到着。白馬岳までもうひと登り!

白馬岳山頂

白馬岳に到着しました。青空が見えるようになりましたが、風がとても強くて雲がものすごい速さで移動していきます。
天候のせいもあるのでしょうか、山頂にいる人は少ないですね。
早々に山頂を後にして頂上宿舎に向かいました。受付を済ませてテントを設営しましたが、強風の中での設営はなかなか大変でした。

頂上宿舎のテント場

頂上宿舎のテント場の全景です。広々としたテント場で、ガイドブックでは100張が可能となっていました。ただし傾斜している場所も多いです。
画像下側はトイレに近く、比較平坦な場所も多いためすぐ埋まってしまいます。静かな一夜を過ごすなら、画像上部の奥のほうに設営したほうがいいかも。ただし繁忙期はどこに張っても変わりませんが…。


頂上宿舎 ~ 白馬岳 ~ 雪倉岳 ~ 白馬岳 ~ 頂上宿舎 

2日目は朝から晴天となりました。しかし、昨日以上に風が強いです。この風は一晩中吹き荒れていて寝不足気味で遅いスタートとなりました。

白馬岳山頂

昨日よりは人の多い白馬岳山頂を通過して三国境に向かいます。

三国境

再び三国境です。ほとんどの人は小蓮華山方面に行くため右側に進んでいきますが、雪倉岳は直進します。

ザレた登山道

こんなザレザレの道をどんどん下っていきます。足を取られやすいので転倒に注意しながら歩きます。

雪倉岳

前方には絶景が広がっています。正面が雪倉岳、右側は鉢ヶ岳です。

鉱山道分岐

蓮華温泉に向かう鉱山道との分岐です。

最低鞍部

もう少し進んだところが最低の鞍部でしょうか。地図で確認すると尾根上の標高の一番低いところが約2390m、白馬岳の標高2932mから一気に540m下ってきました。この辺りは比較的平坦で広々しているし、目立ったものもないので、濃いガスなどに巻かれると方向を見失う可能性がありそうです。

雪倉岳避難小屋

雪倉岳避難小屋に到着。少し休憩して登りに備えます。

雪倉岳への登山道

雪倉岳への登りです。ここからはピークは見えません。

お花畑

斜面のいたるところにお花畑があります。この山域はとても高山植物が豊富です。

ザレた登山道

ピーク手前、少々ザレた道になっています。写真中央がピークです。

雪倉岳山頂

雪倉岳山頂に到着しました。山頂を示す石の道標がカッコいいです!

雪倉岳山頂からの展望

山頂に着く少し前からガスが湧いてしまったのでよくわかりませんが、正面が朝日岳でしょうか!?
来年は行きたいですね。

雪倉岳の山頂は広くて展望を楽しみつつのんびりできそうなのですが、風が強いので長いせず下山します。

白馬岳と旭岳

山頂から白馬岳と旭岳(右)です。また、あの山頂まで登ることになります…。
ここから鞍部まで220m下って、白馬山頂まで540m登ります。またテント場まで200mほど下ります。


頂上宿舎 ~ 大雪渓 ~ 猿倉

3日目、小雨混じりの霧と強風の朝を迎えました。深夜から未明にかけては昨夜以上の強(暴)風で、テントが壊れるかと思ったぐらいです。何とか無事に朝を迎えることができましたが昨日以上の寝不足です。
予定では白馬鑓ヶ岳まで行き、戻って下山する予定でしたが、この強風と濃い霧のため予定を変更してそのまま下山することにしました。

白馬岳頂上宿舎

濃い霧の中、頂上宿舎を後にします。
大雪渓までは急な勾配の道を下ります。足場の悪いところもありますので気を付けて歩きます。

白馬大雪渓

大雪渓が見えてきました。登ってくる人も確認できますが、行列になっているほどではありませんね。

木製の橋

沢に木製の橋が架かっています。スリップと落石に注意です。落石が怖いので、景色が良いからといって途中で立ち止まらないよう足早に進みます。

白馬大雪渓

大雪渓に入りました。雪もしっかりと締まっている(凍っている)ためアイゼン(6本爪)を装着して下ります。危険な箇所にはロープが張ってありますが、あまり人の歩いていないルートは歩かないようにします。下りでは落石を発見しづらいので、まめに後ろを振り返りながら落石に注意して歩きました。

大雪渓下部

雪渓歩きもここで終了です。これより下は雪渓の崩壊が進んでいて、とても怖くて歩けません。

白馬尻小屋

白馬尻小屋まで来ました。今シーズンは休業しているので建物はありませんが…。

猿倉登山口

猿倉に到着、無事下山しました。
猿倉に到着したのはAM11:30、バスは55分後です。普段バスを使うことは少ないので、何も考えずに降りてきてしまいました。バスを待つ時間が長いのでタクシーを呼びます。八方第5駐車場まで3500円ぐらいです。



まとめ

強風に見舞われた3日間でしたが、晴天の日もあり後立山連峰北部の雄大な自然を感じることができました。北アルプス南部の荒々しい岩稜とは違って、南アルプスを思わせるような、視界いっぱいに広がる山々といつまでも続いていくような登山道がとても印象的でした。
早く雪倉岳から先に行ってみたいという気持ちにさせられます。


栂池から白馬岳のコースも、景色が次々と移り変わり、小蓮華山からはまさに天空の散歩道といった尾根歩きが味わえます。1泊2日で栂池―猿倉間を歩いてもいいですね。白馬八方バスターミナルもしくは白馬駅を基点とすれば路線バスも通っていますので便利です。

(追伸)
強風の中のテント泊でしたが、ハプニングもありました。テント泊の雨対策はしているのですが、強風対策の必要性も感じたテント泊でした。準備ができたら紹介したいと思います。

コメント