8月22日 ちょっと楽してダイナミックな槍穂の展望を日帰りで楽しむ!
今シーズン、槍・穂高連峰はちょっと離れたところから見ることが多かったので、久々にあのダイナミックな岩稜の尾根を近くで眺めようと常念岳に登りました。
この日の予報では、午後から積乱雲が発生するなど不安定な天気になるとのことでした。 それなら午前中には稜線から離れられるように、日の出前からスタートすることにしました。
コースタイムは上り5時間35分、下り3時間55分で合計約9時間30分とそこそこの長丁場。でも午前中に稜線から離れればいいので、常念乗越まで下ると6時間20分になります。休憩を含めても余裕があるようにスタートをAM4:30にしました。
※コースタイムは”山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳”版を参考にしています
=コースタイム=
一ノ沢登山口(4:30) ▶ 王滝ベンチ(5:15) ▶ 胸突八丁(6:30) ▶ 常念乗越(7:25) ▶ 常念岳(8:30)(9:30) ▶ 常念乗越(9:55) ▶ 王滝ベンチ(11:15) ▶ 一ノ沢登山口(11:45)
活動時間(休憩含む):7時間15分 標高差:1607m
登山口と駐車場
一ノ沢登山口までの公共交通機関がないため、一般的にはマイカーかタクシーになります。(東京発の高速バスが一日一往復あるようです)
一ノ沢の登山者用駐車場は登山口手前約1.3kmのところに第一駐車場があります。更に手前300mぐらいのところに第2駐車場があります。第一駐車場で30~40台、第2駐車場で10台程度が駐車できそうです。


シーズンになると大変混雑する駐車場と聞いています。車があふれて、路上駐車の長い列ができるとことです。朝早くに駐車場に到着する予定とはいえ、止められるか心配していましたが、第1駐車場でまだ5~6台ぐらい止められそうでした。第2駐車場に至っては3、4台しか止まっていませんでした。
ちょっと拍子抜けな感じ…
まだまだ夏山シーズンなのに入山者は少ないんですね。
車を止めて、準備して登山口に向かいます。真っ暗な中、約1.3kmの舗装路をヘッドランプひとつで15分程歩いていきます。

画像のピントが合っていませんが、登山相談所です。ここで登山届を提出します。

男女別のトイレもあります。
一ノ沢登山口 ~ 常念乗越 ~ 常念岳

まだ真っ暗な中をスタートします。

新調したヘッドライトを使っていますが、白色ではなく自然光で見やすく感じます。画像は最大の明るさですが、半分ぐらいの明るさにしても十分歩くことができました。

一ノ沢からの登山道は、最終水場まで沢に沿って歩きます。時には沢の脇を通ることもあります。

大小さまざまな支沢もわたります。こんな丸太橋もよく出てきます(これはまだ良いほう)。

陽が出てきました。沢沿いとはいえ、ずっと樹林帯の中なので風もなく暑いです。

登山口から約1時間半で笠原沢です。ここまでの勾配は緩く、少しずつ標高を上げてくる感じです。ここから少しずつ勾配が増していきます。

麓の方を見ると、嫌な色の雲が掛かってきました。

稜線の方は青空が広がっています。

胸突八丁の入口です。ここから一気に勾配がキツくなります。

勾配がキツくなるといっても、登りにくそうなところには階段(ハシゴ?)が設置されているため、登りやすくなっています。

胸突八丁は、一気に標高を上げて沢の崖の上を歩くようになります。左側は数十メートル下に沢が流れる崖になっていますので転落しないように注意して歩きます。

青空の中、稜線が近くなってきました。

最終水場に到着です。水は細くて、それほど冷たくありませんでした。のどを潤しましたが、あまりおいしく感じませんでした(すみません)。
気を取り直して先に進みます。まだまだ急登は続きます。

がけ崩れのあった場所を通過します。整備はしてありますが、上部を見るとまだ落石が起こる可能性はありそうなので、気を付けて素早く通過します。


第1、第2ベンチを通過すると、だんだんと稜線が近づいてきます。

常念乗越に到着すると槍ヶ岳がお出迎えしてくれます。目の前に北アルプスの景色がドーンと広がります。
ここで一息入れて、常念岳への最後の登りに備えます。

常念岳への登りです(注:見えているのが山頂ではありません)。画像ではわかりづらいのですが、見るからにキツそうな登りです。

途中で振り返ると、段々畑のような常念小屋のテント場が見えました。利用したのは何年も前ですが、良いテン場だった記憶があります。

最初はゴロゴロとした大きめの石のジグザグ道を登っていきます。浮いている石もたくさんあるので、乗って転倒しないように注意して歩きます。

常念乗越から30分ぐらいでしょか、山頂(画像中央)が見えてきました。

勾配の緩んだところで三股への分岐があります。

更に登りは続きます。勾配がさらに増したように感じるのは気のせいでしょうか…

登山口から4時間で常念岳山頂に到着!
とにかく北アルプスの眺望がサイコーです。西側は雲に覆われてしまっていますが、周辺の山々は見渡すことができました。

これでもかっ!というほど尖って見える槍ヶ岳。北鎌尾根が荒々しい。手前は表銀座。

南岳、大キレットに北穂高岳。キレットの向こうに見えるのは白山。

北側に目を向けると大天井岳と燕岳。中央の奥は立山と剱かな?

後立山連峰。

南側を見ると、蝶ヶ岳とそれに続く稜線。

少し雲に隠れた御嶽山(左)と乗鞍岳(中央)。
大きな岩が積まれた山頂はそれほど広くはないため、ゆっくりできるスペースは少ないです。でも、この時間は登ってきている人も少なく、風もなかったので、久しぶりに1時間ほど滞在してしまいました。
山頂を十分堪能して、天気のいいうちに下山します。

AM11:45 予定通りに無事下山しました。
駐車場に戻ってみると、第1駐車場はまだ余裕がありました。第2駐車場も5、6台は止められそうでした。
コースの感想
槍穂を見るなら常念岳!というぐらい槍・穂高連峰の展望がすばらしいです。北鎌尾根や表銀座も見られるので、歩いたことがあるなら、思い出もセットで楽しめますよ。
一ノ沢からのコースは、最終水場まで沢沿いの道を進みます。時には沢の脇を歩いたり、支沢を渡ったりしますので、沢の増水の可能性があるときは注意が必要です。丸太橋や石の上も濡れていると滑りやすいので転倒に気を付けます。
胸突八丁までは勾配が緩めで登りやすくなっています。胸突八丁でグッと標高を上げ、眼下に沢が見える崖の上の道といったところを歩きます。道は広めに作られていますが、つまずいて転落なんてことにならないように気を引き締めて歩きます。
最終水場から常念乗越までは急登の樹林帯の中の道です。よく整備されていますが、単調な道ですので、時折りのぞくことのできる稜線や季節の花を見て気を紛らわすのも手かと…、1時間ほどの我慢です。
常念乗越から山頂まではキツい登りになりますが、天気が良ければ常に槍穂の稜線を見ながら歩きます。
三股からの入山に比べ、一ノ沢のコースは比較的楽に常念岳に登ることができます。もちろん、標高差は1600m以上あり、コースタイムも9時間30分ですので体力は必要ですが、日帰りも可能です。
槍穂の眺望を楽しみたいと思ったら、一番のおすすめコースです。
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