8月1日~2日 チャンス到来! 歩いてみたかった縦走路
常念山脈の北端に位置していて、コブを従え独特の山容をしている餓鬼岳。ふもとの町からはいつも見ている山だけど、行程の長さを考えると日帰りで行くのはもったいない。できれば燕岳まで縦走したいとずっと思っていました。
餓鬼岳小屋のテント場の予約が取れ、遅い梅雨もちょうど開けるというタイミングで歩くことができました。
=コースタイム=
1日目
白沢登山口(5:30) ▶ 最終水場(7:15) ▶ 大凪山(9:25) ▶ 餓鬼岳小屋(11:55) ▶ 餓鬼岳(13:00)
活動時間(休憩、幕営含む):8時間
2日目
餓鬼岳小屋テント場(5:00) ▶ ケンズリ(5:40) ▶ 東沢岳(7:30) ▶ 東沢乗越(8:00) ▶ 燕岳(10:25) ▶ 燕山荘(10:50) ▶ 合戦小屋(11:25) ▶ 中房温泉(13:55)
活動時間(休憩含む):8時間55分 2日間の累計標高差:上り2880m 下り2420m
登山口と駐車場
餓鬼岳の白沢登山口は「大町・松川地区 国営アルプス公園」を通り過ぎて細い脇道に入っていきます。車一台分程度の道幅しかないので、対向車には注意が必要です。

登山口に一番近い駐車スペースは、詰めても4台ぐらいしか停められません。少し手前にも駐車スペースがあって6~7台ぐらいは駐車できそうです。簡易トイレもあります。

駐車スペースの脇に登山口があります。登山届のポストもありますので、ここで登山届を提出。
登山口 ~ 餓鬼岳
林道を10分ほど進みます。

ここから本格的な登山道が始まります。

沢を渡ります。まだ、安心して進める橋です。

しばらくは沢沿いの道なのですが、場所によっては沢の中を歩きます。増水したら通行できないこともありそうなので天気はとても気になりました。

足場板1枚分の幅になりました。なかなかワイルドになってきました。

足場板すら無くなりました。片足分ぐらいの幅しかありません。

沢から少し離れても、こんなハシゴや

レトロな橋を通ります。鎖があるので、少しは安心ですが…

ワイルドな登山道は続きます。

魚止ノ滝まで来ました。落差もあって迫力があります。この辺りは沢の脇を通るので、不用意に石の上を歩くと滑ります。

このハシゴは下側が固定されていないので、通るときはバランスを崩さないように注意が必要です。

最終水場まで来ました。登山口の標高は約1000mなので、すでに500mほど登っていますが、キツくなるのはここからです。

笹に覆われて道が良く見えなかったりします。道幅の狭いところもあるので、登山道が覆われている場合は慎重に足を運びます。

大凪山の山頂に到着です。標識がなかったら通過してしまいそうな山頂です。
ところどころ勾配の緩くなるところもありますが、大半は勾配の急な登山道が続きます。

百曲がりの入口です。最後の試練がやって来ました。

小屋まであと30分、元気付けられます。

登山口から約6時間30分で餓鬼岳小屋に到着しました。独特の雰囲気のあるたたずまいで、古き良き山小屋という感じです。

登山者を歓迎してくれる、有名?な張り紙です。
小屋で受付をして、テントを設営してから餓鬼岳に向かいます。

テント設営しました。テント場はちょっとした窪地にあり、うわさ通り広くはありません。傾斜になるけど頑張って張ればソロ用なら6張ぐらい設営できるかな…ぐらいの広さです。

餓鬼岳山頂に来ました。小屋から5分ほどで着きます。

餓鬼岳山頂から見た唐沢岳方面です(唐沢岳はもっと向こうです)。予定では唐沢岳まで行こうと思っていたのですが、ここまででヘタばりました。明日もあるので今回はやめておきました。

長野県側は雲で何も見えませんでしたが、ブロッケンが現れました。
餓鬼岳 ~ 東沢岳 ~ 燕岳
天気の良い朝を迎えました。

見事な雲海、日の出とともに2日目スタートです。

これから望む稜線が朝日に照らされています。遠くに槍の穂先も見えます。

テント場を出発すると、ケンズリと呼ばれる岩稜帯を歩きます。でも、すべて尾根通しに進むのではなく、岩場を歩くこともあれば、ずいぶんと下降して大きく岩場を巻くこともあります。

これは登りません。

岩稜を歩くときはこんなハシゴも出てきます。

こんなところもあります。バランスを崩さないように!滑落注意です。

がけ崩れが起こったと思われる場所も通過します。落石に気を付けて!

天気も良かったので、稜線を歩けば360度、見渡すかぎり絶景が広がります。

東沢岳山頂に到着です。ルート上からは少し外れていますが、ピークを踏みたくて登ってきました。

東沢岳から見た東餓鬼岳です。バリエーションルートになりますが、踏みあとはあるようなので、いずれ行ってみたいと思っています。
東沢岳を後にして、ここから東沢乗越まで下ります。

東沢乗越です。ここまで笹に覆われた登山道で、道は見づらいし、朝露でパンツは濡れるわで歩きにくいです。倒木もありますので、ザックなどを引っかけないようにしないといけません。
ここで一息入れて、再び稜線まで標高差500mを登ります。

また笹に覆われたところから登っていきます。

標高2700m付近のお花畑です。この辺りはたくさんの花が咲いていて、ヘコたれてきた心を癒してくれます。
稜線に出るまであともう少し!

稜線に出ると槍穂と裏銀座の山々が目に飛び込んできます。天気が良いこともあって、ちょっと感動的な出会いです。

途中で一緒になった方としばし写真の撮りあいっこです。

静かだし景色も最高なので、ずっと居たい気持ちになるのですが、ここはグッと我慢して先に進みます。

燕岳に到着しました。今まで静かな登山道でしたが、ここにきて急に世界が変わったようです。
どこもかしこもにぎやかなので、合戦小屋でスイカを食べて、早々に下山することにします。
まとめ
「餓鬼岳」、なんとも怖い名前ですが、「崖(がけ)」が転じて「餓鬼」になったという説があります。実際、餓鬼岳は岩稜を従えていますし、崖のような急登も登っていきます。
白沢登山口から、餓鬼岳、ケンズリ、東沢岳、東沢乗越までは、登山道も最小限の整備しかされておらず、アップダウンも多く、とても歩きごたえのあるコースです。
また、東沢乗越から標高差500mを登り切って見える展望は、思わず声が出てしまうような絶景が待っていますし、燕岳に近づけば近づくほど高山植物も豊富に見られます。
天気が良ければ、右手に裏銀座を見ながら歩く稜線で、全体的に満足のいくコースでした。
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